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むち打ち症

むち打ち症は交通事故のケガで最も頻度が多く、また長期にわたって苦しんでいる方が見える症状と言えます。
むち打ちが通常のケガと大きく異なる点は車がぶつかった際に一度首が後ろに強制させられ、その後前に大きく投げ出される点です。(図1参照)
通常のケガは例えばボールが頭に当たれば、その衝撃で首は後ろにそらされる形となります。
前につまずけば首は前に投げ出されます。

左:首が後方に強制されている図
右:首が前方に投げ出されている図
(筋骨格系のキネシオロジー 医歯薬出版株式会社参照)

2-1:矢印の部分が胸鎖乳突筋の解剖図です。耳の後ろから胸の前まで付いています。
2-2:矢印の部分に筋肉を肉眼で観察できます。

それに対してむち打ちは名前の通り鞭がしなる様に前と後ろの両方に強制させられるのが特徴です。
この際、沢山ある問題の中で特に重要となるのが頸椎(首の骨)・胸椎(背中の骨)の動きと胸鎖乳突筋(図2-1参照)と考えます。
頸椎と胸椎に関しては図1を見てもらえば分かるように衝突時は動きの限界を超えて動かされます。
よって悪くなるのは明らかであると考えます。
また胸鎖乳突筋ですが、この筋肉は首を回旋させると表面に浮かび上がる筋肉です。(図2-2参照)
最大の特徴は首の全ての動きに関与するという点です。

そのためこの筋肉を強く損傷するとどの様に動かしても痛い=動かせないという状態になります。
幸いにも当院においてはこの筋肉の痛い=動かせない状態は平均2~3回の施術で回復します。
ただし、この筋肉は動かせないほどの重度ではなくとも少し硬くなっているだけで場合によっては頭痛や張り感、動きの制限を出すためその後もきちんと施術することが重要です。
むち打ちは後で痛みが出てくる、何年後かに後遺症が出るというのは有名な話です。

第1頸椎がリング状、第2頸椎が棒状の突起を持っています。2つが合わさると右の図になります。
(ネッター解剖学アトラス 南江堂参照)

これらに特に関係があると考えるのは7つある内の1番上の骨、第1頸椎の問題が残っている場合と考えます。
第1頸椎は他の骨が積み木の様な形をしているのに対して、浮き輪の様にリング状をしています。
そしてその下の第2頸椎にはこのリングをひっかける棒が飛び出しており関節を作っています(図3参照)。
よって第1頸椎はフラフープの様に回転する動きに優れています。
また頭部は丸い形をしています。
これが同じ位置で安定しようとすると平らな物の上に置くよりリング状の物の上に置いた方が安定します。
よって第1頸椎は頭部の安定と首の回旋に特に関与しています。頭部が安定しなければ頭痛やめまい、回旋が出来なければ動かした時の痛みや動かす範囲が低下します。
当院では以上のような事に特に注意しながら全体を見ていきます。
むち打ちは事故やタックルなどいろいろな場面で起こります。
他の症状と異なるのは長期化や後から痛みが出てくる事が多い点です。
早期に施術が出来れば1番良いですが、日にちが経過したとしても結果は出せているので安心して相談下さい。

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